内臓疾患に対する針灸治療の私見 Ver.1.4
私が平成29年12月22日に発表したブログ<泌尿器科症状に対する陰部神経刺の限界>をみて、最近「初心のはり士」氏が、驚くべきことに数回にわけて自分の見解を示している。この内容は私のブログ内容とは直結していないが、内容はうなずかされる点が多い。これに対する私の直接の返答ではないが、内臓疾患に対する私の見解を示しておくことにしたい。内容的には過去ブログのダイジェストである。...
View Article立位で膝関節症の針治療をすることの意義 Ver. 1.3
筆者は本年11月15日に「膝OAに対する鍼灸臨床 Ver.2.0」を発表した。 この時、立位で診療することの必要性について少し触れたのだが、鍼灸の効果を高めるために重要な内容なので、今回きちんと説明したい。 1.仰臥位での膝関節周囲の治療 膝OAでは、膝周囲の圧痛点に刺針施灸することが多いが、多くは仰臥位で行い、置針あるいはこれに低周波通電を追加する形をとるのが定石であろう。...
View Article膝痛患者における鶴頂圧痛と内外膝眼圧痛の相違点 Ver.1.1
筆者は、2018年1月26日のブログ「立位で膝関節症の治療をすることの意義」で、膝痛患者に対し、立位で膝関節周囲縁の圧痛を探り、圧痛部に速刺速抜刺法を行う技法を提案した。このやり方は、2ヶ月ほど臨床に使ってみて、非常に効果の高い治療法らしいことが分かった。また自分なりの見解もできたので、ここに整理することにした。 1.刺針体位の変更...
View Article奇経八脈の宗穴の意味と身体流注区分の考察 Ver.1.8
1.十二正経の概念図 筆者は以前、十二正経走行概念の図を発表した。 http://blog.goo.ne.jp/ango-shinkyu/e/bac628918882edd51472352adefd6924/?img=0084a878810483f1998c462abef9281b...
View Article古代九鍼の知識
これまで古代九鍼についてはあまり興味がなかったが、調べてみると鑱鍼や員利鍼は古代から近代へと針の形や使用法が変化しているものがったり、員鍼のことを誤って員利鍼と称して販売している現状がある。要するにかなり混乱した状態になっていた。古代九鍼については現代では忘れかけた内容で、多くの鍼灸師は毫鍼以外にあまり使わない。というよりそれ以外の方法を知る者がほとんといなくなったということであろう。...
View Article肩の外転制限を伴う上腕外側痛に対して棘下筋ストレッチさせての天宗刺針が有効な例
主訴:上腕外転時の痛みを伴う運動制限 本ブログは、2012年10月9日報告の「五十肩で上腕外側痛を生じる理由と治療法」(以下アドレス参照)の内容を、さらに工夫した治療内容となっている。 #mce_temp_url# 現病歴...
View Article痛風発作に灸治療が速効した例としなかった例
筆者は、2016年11月22日に「急性膝関節痛が痛風由来だった症例」を報告したが、この症例では膝痛が痛風からきていると推測できず、また鍼灸治療も効果なかった。しかし2018年3月28日に左肘の痛風発作が灸治療で即時に鎮痛できた症例を経験したので、この事象を追加して報告する。なお表題は、痛風発作に灸治療が速効した例としなかった例とした。 1.痛風の概念...
View Articleお灸のトリビア
1.灸治療が庶民に広まったのが江戸時代もぐさは西暦500年頃、仏教とともに日本へ伝わってきた。中国にある棒灸は、日本のお灸の原型と考えられるが、お灸は日本独自に進化した伝統的な治療法。西暦700年頃僧侶が行う治療として隆盛を極め、江戸時代には庶民にも広まった。...
View Article鍼灸院における設備・備品の改良アイデア(その4)
1.以前、赤外線スタンドの根元に「二つ折りした鉄製の格子」(百均で購入)を取り付け、そこを診療中のカルテ置き場とした。しかし使いづらく、壁に移したことで、必要に応じて簡単にカルテを手にとれるようになった。この場所はカルテ置場と小マクラ置場の兼用である。患者を側臥位にさせた時、通常の角マクラだけでは頭が低くなるので、角マクラの上に小マクラをのせることで丁度良い高さになる。 ↓ 変更...
View Article脳清穴の臨床応用例 Ver.1.2
1.脳清穴とは脳清穴とは、解谿の上2寸にある新穴で、脛骨外縁側付近で長母指伸筋腱上に取穴する。長母指伸筋腱を刺激するという意味では、解谿穴刺針に似るが、解谿と比べてしっかりと刺激できるという利点がある。この度、脳清穴刺針が効果あった症例を通じ、脳清穴刺針の臨床応用の一端を知ることができたので報告する。...
View Article中世のお灸事情
お灸に関する、とりとめのない知見を以下にまとめてみた。 1.排膿のための鍼と灸 血が停滞して体内に熱をもって体内に腫瘤形成される。これを取り去るには、内科的には湯液治療だが、鍼灸治療的には、鍼による皮膚切開と、打膿灸による排膿の方法が行われていた。...
View Article石川日出鶴丸著の要点 Ver 1.3
石川日出鶴丸 原著 倉島宗二 校訂 昭和51年5月1日 日本針灸皮電学会刊 1.米占領軍の針灸按等医療類似行為禁止令に抵抗した石川日出鶴丸...
View Article肩中兪深刺の理論と適用
1.肩中兪深刺の適応 肩中兪(C7棘突起外方2寸)深刺では第1肋間(第1肋骨と第2肋骨間)に刺入できる。この刺針の適応は、頸部交感神経節刺激の他に、腕神経支配領域の症状に対する治療としての使い道がある。 腕神経叢はC5~Th1神経前枝から成っているが、腕神経叢から起こり、中府・雲門あたりの大胸筋部痛、肩甲間部痛、後方四角口腔部痛に対して、効果あることが多い。...
View Article『名家灸選』の腰痛の灸デモ(萩原芳夫先生)
毎年春秋に開催されている現代鍼灸科学研究会は平成30年春、ゲストとして萩原芳夫先生をおよびした。萩原先生は、かつて日産玉川病院第2期鍼灸研修生で、研修後に地元埼玉県で灸専門治療院として長らくご活躍されていたが、ついに昨年閉院されるに至った。...
View Article腹診に関する現代医学的解釈 Ver.2.0
日産玉川病院東洋医学科では、腹証を診ていた。古典的解釈と現代医学的解釈を併用していたが、意見の統一をはかるための資料として「東洋医学診療マニュアル」(代田文彦先生口述、鈴木育夫、武藤由香子両先生整理)が作製された。この冊子の部分的紹介が当ブログ2006年5月14日報告の<腹証に対する現代医学的解釈>であった。...
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