これまで月2回ペースで現代針灸の実技講習会を行ってきましたが、この2年間コロナ禍により開催できませんでした。しかし最近になって、やっと開催できそうな状況に好転しました。そこでいよいよ平成4年2月6日(日曜)より、第5期「奮起の会」として再スタートすることにしました。
この空白の間、テキスト内容を吟味して各疾患に対する針灸技法の学習に十分な時間をかける一方、取り上げる疾患数を減らし、実用性を高めることに努めました。たとえば腰椎椎間板ヘルニアの治療は取り上げていますが、分類的には筋々膜性腰痛の治療として取り上げ、上腕二頭筋長頭腱々炎にいたってはめったに来院しないので省略しました。逆に膝窩筋腱炎・母指内転筋症・踵脂肪褥炎などはあまり有名ではありませんが、現実に来院頻度が高く治療法を知らないと治せないので取り上げました。要するに役立つような知識と技術を紹介し、受講生が、「この程度の質・量ならば、実際に役立ち、自分でもマスターできそうだ」とする意欲のもてる内容を心がけました。
なお針灸の実技技術の大部分は、筆者のオリジナルです。個々の技法はブログ<現代医学的針灸>で説明済みのものです。
<<募集要項>>
1.実施日時:初回実施予定:令和4年2月6日(第一日曜日) 午後5時半~8時頃
以降、毎月第1、第3日曜 計5回
想定外にコロナ禍が蔓延した場合、開催中止することがあります。
2.実施場所:国立駅南口下車 徒歩3分、国立市中1丁目集会場
3.定員:12名 定員になり次第、受付終了します。
4.指導:似田敦、ほか現代針灸研究会メンバーの方々
5.参加費:鍼灸師6,000円 針灸学生5,000円
6.持参品:筆記用具程度。テキスト、針、消毒用品は当方で支給
7.懇親会 講習会後、駅前の居酒屋で実施(希望者のみ)
8.受講お申し込み方法<令和3年12月8日、お申込み開始>
参加御希望の方は、①参加希望会のテーマと開催予定日、②氏名、③住所、④電話 ⑤メールアドレスを、メールまたは電話でお伝えください。
あんご針灸院 似田 敦(にただあつし) 電話042(576)4418 メールアドレスnitadakai825@jcom.zaq.ne.jp
<<日程>>
A.腰背痛の治療技術<令和4年2月6日>
症状A-1 膈兪~肝兪付近(胸椎部で肋骨がある部)に感じる痛み 【胸椎椎間関節症】
症状A-2 上体前屈時に大腸兪付近に感じる痛み 【腰椎移行部椎間関節】
症状A-3 志室付近に自覚する深部の痛み 【大腰筋性腰痛】
症状A-4 胃倉あたり感ずる慢性的なコリ、いわゆる胃の不調 【 腰方形筋起始部痛】
症状A-5 腰下部に慢性的な鈍重痛感。圧痛点は不明瞭。 L5棘突起下に細絡【オ血性腰痛】
※補講:八髎穴への刺入技法と治療点の選択
B.殿下肢痛の治療技術<2月23日>
症状B-1 片側の殿部~大腿後側~下腿(前面・外側・後面)が痛む。【梨状筋症候群】
症状B-2 上外殿部から大腿外側の運動時痛 【中・小殿筋緊張症】
症状B-3 上殿部外側の痛み・鼠径部痛。歩行時の鼠径部に感じる違和感【変形性股関節症】
症状B-4 同じ姿勢を続けている時に生ずる腰部の鈍重感と下肢不定症状【仙腸関節機能障害】
症状B-5 5分間ほど歩行すると足が前に進まなくなる。腰をかがめて数分間座って休憩すると再び歩行可能となる。【脊柱管狭窄症】
C.膝痛の治療技術<3月6日>
※補講:膝関節痛治療に多用される穴
症状C-1 慢性的な膝関節前面の痛みで、鶴頂穴圧痛(+)時 【大腿直筋過緊張】
症状C-2 膝蓋骨外縁(外膝蓋)または内縁(内膝蓋)の痛み。【外側広筋または内側広筋の過収縮】
症状C-3 膝関節前面の痛みで、内外膝眼圧痛(+)時 膝関節包過敏】
症状C-4 膝関節内側の鵞足部の痛み 【鵞足炎】
症状C-5 膝窩が鈍く痛む 【膝窩筋腱炎】
症状C-6 中学生。脛骨粗面部が痛む【オスグッド病】
※補講:膝の痛み以外の主な症状と対処法
D.頸碗痛の治療技術<3月20日>
※補講:後頸部筋の構造と常用刺針点の整理
症状D-1 顔を下に向けづらい(顎を引けない)。 上項部が重苦しい。【後頭下筋(とくに大後頭直筋)緊張症】
症状D-2 頭を左(または右)に回しにくい。無理に回すと痛む。 【頭板状筋緊張症】
症状D-3 デスクワークなどで顔を下にした姿勢を続けていると後頸部が疲れる。 【頭半棘筋緊張症】
症状D-4 頸を動かした際に、後頸部、肩甲上部、肩甲間部などが痛む。 【脊髄神経後枝痛(長・短回旋筋緊張症)】
症状D-5 頸部が痛く、片側の上肢の感覚が鈍い。前中斜角筋に圧痛(+) 【(前)斜角筋症候群】
症状D-6 頸部が痛く片側の上肢がピリピリする。烏口突起内側の圧痛(+) 【小胸筋症候群】
症状D-7 ムチウチ1ヶ月後に、めまい・嘔気・不眠・耳鳴・眼精疲労が出てきた。 【バレリュー症候群】
E.肩関節痛の治療技術<4月3日>
※補講:針灸に来院する肩関節障害の概要
症状E-1 肩関節を外転で、90°を超えると肩関節~上腕・肩甲骨周囲に痛みが出て上げられない。他動外転は正常。
【肩腱板炎とくに棘上筋腱炎(または棘上筋腱部分断裂)】
症状E-2 肩に痛みが出て結髪動作ができない。他動的には可能。 【肩腱板炎(棘下筋、小円筋の伸張制限)】
症状E-3 肩関節前面~外側の動作時痛。とくに結帯動作時痛み出現。 他動的には可能。 【肩腱板炎(棘下筋、小円筋の伸張制限)】
症状E-4 五十代男性。肩の動きが悪く、結帯動作、結髪動作ができない。
外転70°で自動・他動ROMとも同様。ただし肩関節痛はあまり感じない。【凍結肩】
F.上肢症状の治療技術(実施日未定)
症状F-1 テニスでバックハンドでボールを打ち返す際、右肘付近に痛みが走る。【バックハンドテニス肘】
症状F-2 重いものを右手に持つと右側母指の橈側基部が痛む 【狭窄性腱鞘炎】
症状F-3 右IP関節を屈曲した母指を伸展しようとしてもスムーズにできない。
無理に伸ばそうとするとバネのように弾けて伸びる 【母指バネ指(弾撥指)】
症状F-4 物を母指と示指でつまむ時、右側の合谷深部に痛みを感じる 【母指内転筋症】
症状F-5 手掌と手掌側の母指・示指・中指にピリピリ感、疼痛がある。 【手根管症候群】
症状F-6 50才女性。手指のDIP関節が脹らみ、自発痛がある。 【へバーデン結節】
G.下肢症状の治療技術(実施日未定)
症状G-1 歩行中、左足首をひねり、歩く動作で足外果の直下が痛む。痛みを我慢すれば、何とか歩くことができる。 【急性足関節外側捻挫】
症状G-2 両側の足拇趾基部が「く」の字型に曲がり、腫れて痛む 【外反拇趾】
症状G-3 体重をかけると両足の踵中央部が痛むため、歩行困難。
踵中央部に強い圧痛がある。 【踵脂肪体萎縮(=踵脂肪褥炎)】
症状G-4 ランニングをしていると、足裏の土踏まずあたりが痛み、運動を続けられない。 【足底筋膜炎】
症状G-5 歩くと片足の第3・第4指間がピリピリと電気が走る。じっとしている分には痛みはない。 【モートン病】
受講希望者多数いれば、顔面症状の治療技術’(顔面麻痺、三叉神経痛、顔面痙攣)、美容針の講座も用意しています。