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陰部神経刺針を効果的にする刺針体位の工夫

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陰部神経刺針についてブログに書いているためだろうが、かなり遠方からでも陰部神経症状を訴えて来院する患者が多くなった。それにつれて、効かすためのコツがわかるようになった。端的にいうならば、陰部神経基本点部の圧痛硬結に刺針すればよいのだが、圧痛硬結を出現させるための体位を工夫する必要があるということになる。

1.基本肢位による刺針

参考:http://blog.goo.ne.jp/ango-shinkyu/e/e3362c8364c7268e0788f4518ccb5dc9 
 
患側を上にした側腹位で行う。まずは定められた陰部神経刺針点(患側の上後腸骨棘と坐骨結節を結んだ直線の中点から、坐骨結節方向に1寸下がった部位)を深部を探るように、指先にゆっくりと徐々に力を入れて押圧してみる。その時、深部に筋の硬結を触知できれば、本刺針点から、直刺深刺して、その硬結中に鍼先を持って行くようにすることが非常に重要だということである。
 
刺針して硬結中に鍼先を当てるとで、肛門の奥やペニス部に響きをもっていくことができる。足部の振戦に効果あることもあった。

                        

 


2.仙結節靱帯への刺針


  
上述の基本肢位で、所定の陰部神経刺針点を探っても圧痛硬結が発見でいない場合がある。このような場合、仙結節靱帯部に圧痛硬結を見出すことを考える。仙結節靱帯とは、第4後仙骨孔の高さの仙骨外縁あたりからと坐骨結節を結ぶ靱帯である。この靱帯長はだいたい8㎝程度なので、この領域内の圧痛硬結を探して刺針することになり、効果をもたらすことができる。(本ブログで既に報告済)
 
ただし症例を積み重ねていくと、同じ患者でも仙結節靱帯上に圧痛のあった患者でも、別の日に触診すると陰部神経基本点に圧痛が出ていたりすることがわかった。
仙結節靱帯の問題が症状を起こしているのか疑わしいと感じた次第である。

参考http://blog.goo.ne.jp/ango-shinkyu/e/131df5c70407cf7334c830542ca93931


3.大殿筋屈曲肢位で行う陰部神経刺針
 
陰部神経刺針では、まず大殿筋(大腿伸展作用)を貫き、次に梨状筋・内閉鎖筋・双子筋など(大腿外旋作用)を刺激して陰部神経を刺激することになる。
 上記の2つの方法でも圧痛が発見できない場合、大殿筋屈曲位で刺針する。すなわち四つ這い位で股関節と膝関節をともに90°屈曲にする。この体位で陰部神経基本刺針点の圧痛点を見出す。大殿筋がストレッチしている状態なので圧痛硬結を探りやすい。
 
さらに一歩進んだ方法として、この体位で置針した状態のまま、膝をゆっくりと屈曲させていくと、針響が強くなるので、より効果が増す。



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