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Channel: AN現代針灸治療
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バックハンドテニス肘の病態と筋と筋付着部への運動針 Ver.3.2

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1.バックハンドテニス肘の症状

テニスでバックハンドで球を打つたびに痛みが出る。雑巾絞り動作(前腕回外筋負荷)でも起こりやすい。  

2.所見   

外側上顆の腱起始部圧痛(++)、伸筋筋腹(おもに短橈側手根伸筋)の圧痛   
中指伸展テスト(+):手掌を下にして肘以下をベッド面につける。検者は被験者の中指の先を押圧しながら患者に中指を伸展するよう指示する。この時、肘部に痛みが出れば陽性。  

3.病態  

テニスで相手からの返球をバックハンドでレシーブする時、ボールを受け止めるため手関節は 屈曲を強いられるが、ボール衝撃力を緩和するため短橈側手根屈筋は緊張している。すなわち筋 緊張しているのに筋長は長くなる。これを伸張性筋収縮(=エキセントリック筋収縮)とよび、筋の微細損傷を生じやすく、そのことがトリガーポイント活性化の要因にもなる。    またバックハンドでのボールを受ける姿勢(雑巾絞りの姿勢と同じ)は、前腕の強い回内を伴うので、回外筋は伸張を強いられるので、回外筋上も圧痛が出現しやすい。

 

4.テニス肘の針灸治療  

1)前腕伸筋群の短縮が、外側上顆に加わる腱付着部の牽引力増強を引き起こしている。 →手掌をベッドにつけ、中指伸展テスト(上述)を実施。この状態で、短橈手根筋上の圧痛点(手三里の5㎜~1㎝尺側)を探索して刺針する。手関節の背屈運動針を行う。  

2)短橈側手根屈筋の深層に回外筋があるので、治療点としては短橈手根筋への刺針点と同じになるが、刺針深度は比較的深くなる。手の回内状態で刺針したまま回外運動を数回行わせる。 

5.テニス肘の針灸治療効果   

針灸治療は、腱炎であれば効果的であり、数回の治療で症状消失する。 重症例では微細断裂や骨膜炎のこともある。効きが悪いものは週3回の治療を1か月しても、症状半減にまでは至らない。治療に反応しにくいものは、ギブス固定が必要。

 

6.筋収縮の3種類(参考)

エキセントリック筋収縮が最も強い力を引き出せるが、ダメージが強い。エキセントリック筋収縮は、可能な限り重いバーベルを持ち上げる運動でもあって、筋損傷しやすい一方、筋肉を増やすのに適している。ボディービルで用いられる。等尺性筋収縮運動は、持久力向上に適している。
      

 







 

 



 


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