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Channel: AN現代針灸治療
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膝窩痛に対する委中刺針の体位 Ver 1.4

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1.膝窩部の痛みをとる刺針体位 

圧痛膝痛患者で普通にみられるのは、膝の内側、正面、外側の3つであり、どれも鍼灸はよく奏功することが多い。しかし中には膝窩部の痛みを訴える患者もある。これは施術体位を工夫しないと、治すことが難しい。

一般に針治療は、皮膚および筋層に刺すことを目指している(どちらを意図するかは疾病により異なる)が、膝窩痛の場合、伏臥位で委中あたりに局所治療しても、豆腐に針を刺しているようで、効いている感じがせず、実際に効果もない。

 そこで筆者は、図のような体位にさせて膝窩を押圧することにしている。膝窩横紋上を押圧すると何ヶ所か驚くほど強い圧痛点が発見できることが多く、この圧痛点に、寸6#2~3程度の針で5~10秒間程度の手技を行って抜針している。刺針中、コリに命中している感じがして確かな手応えが得られる。施術後は速効することが多い。私がこの方法を考え出してから後は、むしろ膝窩痛を得意とするようになった。


2.膝窩筋腱炎

ところでなぜ膝窩痛が出現するのだろうか。押圧すると確かな筋のシコリを感じるので、筋筋膜症であろうが、最近ネット上の知見であるが、これを「膝窩筋腱炎」とよぶらしい。
歩行動作では、スムーズな膝関節の伸展と屈曲が必要だが、立脚相では支持脚の膝は伸展位となる。とくに歩幅を大きくしたり、同じ歩幅でも速度を上げようとするほど膝関節は過伸展状態に近づくようになる。この時、膝関節の過伸展を防ぎ、次の膝屈曲動作への弾みをつける役割が、膝腋窩筋だと考えられているという。 

※筆者は、これまで足底筋の緊張だと考えていた。膝窩部において、足底筋は膝窩筋の浅層にあるためである。しかし足底筋は細い筋なので、圧痛があるとすれば委中附近にピンポイントで限局することになる。実際は、膝窩部横紋に沿って、3~4㎝の範囲で数カ所圧痛が発見できる。  




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