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機能性側弯症に対する操体法治療

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1.機能性側弯と器質性側弯の鑑別

まずは側弯症が機能性か器質性かを鑑別する。検者は被験者の後方に立ち、立位前屈するよう指示する。この時、左右の背部の高さに差がなければ機能性、で差があれば器質性と判断する。


2.脊柱側弯症の典型的パターン

下図は右脊柱側弯症の典型パターンで、重心は右側に寄り、右側が伸びている。骨盤は右に傾斜し、右下肢の方が長くなったかているように見える。脊柱は傾斜している側に疼痛性側弯が生じている。
右下肢の膝窩筋(委中)は体重がかかているので緊張が生じる。膝窩筋が緊張している意味は、脊柱の歪みの早期診断点だと書いているものの、それ以上の説明はない。私は膝関節が立位固定されておらず、膝屈曲待機状態にあること、つまり利き脚になっているという意味だと解釈している。
この例では、右腰部と左肩甲間部に脊柱の凸があり、この側に椎間関節接衝や長・短回  旋筋緊張による痛みが生じることが多い。逆に膝窩筋の筋緊張が強ければ、その側の骨盤か降  下していることを示唆する診断点ともなる。
 
これは側弯症の典型的なパターンだが、実際の骨盤や脊柱の歪みは多様性に富むので、たとえば右骨盤が下がっているからといって、必ずしも左肩が下がっている訳ではない右骨盤が下がっていて左肩が下がっている場合もあるので、治療としては肩峰の左右差の矯正、そして骨盤・下肢の左右差の矯正と個別にみてゆく。両方が異常な場合、骨盤・下肢の矯正を先行させる。

3.機能的側弯症に対する操体法 

機能性側弯に対して、これまでも整体的技法が行われてきた。これは側弯を是正するとともに、側弯によって二次的に生じた、頭痛・頸肩コリ・腰臀痛などの自覚症状を改善することを目的としている。ただ整体には種々の流派があって正体がはっきりしない。ここでは橋本敬三の操体法の方法を説明する。操体法は、左右の動きを比べ、動かしにくい位置から動かしやすい位置まで自動運動させ、術者はこれに抵抗を加えるという方式。PNFストレッチの応用手技といえる。
操体法の特徴は、脊柱や骨盤の歪みがあると、必ず膝窩部のシコリが出現するとし、膝窩部のシコリをとることが脊柱や骨盤の歪みにつながると主張していることである。


1)肩峰の左右の高さに差がある場合


椅坐位で、左右の肩峰の左右の高さを比較し、骨盤の左右の高さを比較してみる。肩峰の高さに左右差がある機能的側弯の場合上部脊椎の歪みを矯正する。それには図に示す通り、坐位にさせ、上体を上下左右あるいは回旋させる操体法を実施。


2)骨盤の左右の高さに差がある場合 

骨盤の左右の高さに差がある場合、見かけ上の下肢長にも異常は反映され、骨盤が下がっている側の下肢が長く見える。短く見える下肢の足底を床に置いた本やレンガの上に置き、骨盤の左右の高さが同じになるようにすると、敷物の高さを記録することで下肢長の差を知ることができる。
 
   

仰臥位または伏臥位にさせ、図のような下肢の操体法を実施する。

 

   

 


  


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