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Channel: AN現代針灸治療
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円皮針こぼれ話

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   皮内針は1950年代、周知のように赤羽幸兵衛により発明された。その頃の話は過去の医道の日本誌で知ることができる。 
 
医道の日本プレイバック(10)赤羽幸兵衛「皮内針法こぼれ話」(1976年)
        https://www.idononippon.com/topics/4313/
   
圧痛点にただ皮内針を貼り付ければよいというのではなく、症状部膚を緊張状態にしておき、圧痛点に皮内針をすると効果があるとの記述が一つの示唆を与える。

 

一方、皮内針にヒントを得たのか中国では円皮針を造りだし、1975年頃から中国から日本に円皮針が輸入され始めた。一袋10個入400円だった。
当時中国針も10本入1000円程度と高額だった。当時、日本人で中国に行った者はあまりいなかったので、中国の物価事情も分からなかった。輸入ブローカーがボロ儲けしたのだろう。
 
その円皮針はリング径2㎜、針長2㎜、太さ8番程度と大きく太いものだった。小袋のラベルには、華佗牌 撳針(きんしん)(中国語発音 チェンゼン)と書かれていた。「撳」は手で押すの意味。しかし我が国では馴染みのない漢字なので、医道の日本社が円皮針という名前をつけた。当時私は針灸学校通学の一方、医道の日本社新宿支店でアルバイトをしていた。すでに死去した医道の日本社前社長の戸部雄一郎氏の妹君(薬剤師)も働いていて、その本人から「私が考えた名前よ」と教えてくれた。まさにぴったりなネーミングで、たちまち本製品の固有名詞にとどまらず、円皮針という名称でわが国に普及したのだった。

 

 


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