眼瞼痙攣の病態と針灸治療の適否 Ver.1.1
1.顔面痙攣 1)症状 一側の顔面が長期間、強く痙攣する状態。目の周り(特に下瞼)の軽いピクピクした痙攣で始まり、次第に同側の上瞼・頬・口の周りなどへ広がる。痙攣の程度が強くなると、顔がキューとつっぱり、引きつれる状態になる。ひどい場合、耳小骨のアブミ骨筋(顔面神経支配、鼓膜に張力を与えている)が過剰刺激され、カチカチという耳鳴が生ずることもある。...
View Articleグロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)の針灸治療
鼠蹊部周辺に出現する慢性障害であり、本当の原因を特定しにくいためこのような鼠蹊部周辺 に出現する痛みを症候群とした呼名をグロインペイン 症候群(groin pain...
View Article膝関節痛の部位別針灸治療と考察のまとめ
私の膝関節治療の方法は、現在ではi以下の 1~4 のように場合分けされシンプルになってきた。これまでブログで発表してきたことなのだが、個々の技術の誕生には時間差が相当あるので、まとめて紹介することはできなかった。以上に加え近頃、膝蓋骨両縁(内膝蓋、外膝蓋)の痛みを訴える患者に対して効果的な方法を発見したので、5 として併せて紹介する。 同種の内容に、筆者が3年前に発表した「膝OAに対する鍼灸治療...
View Article血管性頭痛の病態生理と針灸治療の検討 Ver.2.1
2011年11月に<片頭痛の病態生理と鍼灸治療の検討>を記したが、その全面改訂版を記すことにした。タイトルも<血管性頭痛の病態生理と鍼灸治療の検討Ver.2.0>に変更した。 1.三叉神経血管説の整理片頭痛の病態生理は、なお不明な点は少なくないが、現在では「三叉神経血管説」が最も有力 視されている。これは神経因子(脳の大血管や脳硬膜に分布する三叉神経刺激による痛み)...
View Article令和2年度の実技講習会、開催延期のお知らせ
令和2年の実技講習会の予定は、当初は6月からスタートする予定で、そのためには4月からその旨を本ブログで公示するつもりでした。ちなみに概要は次の通りでした。 ◎奮起の会セレクション本勉強会指導スタッフと過去参加者が、得意とする内容をピックアップ...
View Article道教によって影響をうけた古代中国の生命観 Ver.1.6
1.序『黄帝内経』が編纂されたのは漢の時代(BC202~AD220)だとされている。当時、道教は儒教とならんで、中国人の精神構造の基盤となった。中国の古代医学も道教の影響を強く受けていたと考えられる。道教を学習することは中国の針灸古典の背景を知る上でも興味深いことである。 私は鍼灸学校卒業してすぐの頃、道教の古典的名著であるアンリ・マスペロ著川勝義雄訳『道教』東洋文庫、平凡社刊...
View Article本郷の新星寮で出張治療していた代田文誌との出会いと治療体験の思い出(井上駿)ver.1.1
最近、当あんご針灸院に代田泰彦先生(代田文彦先生の弟者)の紹介患者として井上駿氏(87才男性)が来院した。井上氏は代田文誌が新星学寮で出張治療していた頃、東大農学部の学生で新星学寮の寮生であたことを耳にしたので、当時の様子を文章にして残して欲しいとお願いしてみた。井上氏は快諾し、その2ヶ月後、次のような文章を書いて下さった。以下は井上氏の文章(部分的に似田加筆)になる。...
View Article鍼尖点検器の自作
1.曲がりやすかった銀鍼 今から40年前頃まで、針灸院では銀鍼が普通に使われていた。一本50円~70円くらいした。銀は腰が弱く、刺入する際の重心を間違えると、すぐに”く”の字になってしまったので、鍼体を曲げずに刺入するだけでも結構難しかった。...
View Article三胚葉形成からみた鶏卵の生長と太極図(「閃く經絡」の読み解き)
「閃(ひらめ)く經絡」が出版され、丸2年が経過しようとしている。出版当時は非常に話題になった本であるが、内容が斬新である一方、鍼灸臨床には役立たないという内容でもあった。...
View Article「閃く經絡」の人体五臓図の解釈
<閃く經絡> は、東洋医学の考えを発生学的観点から説明しようとしている。この考え方これまでになかったものであり、改めて東洋医学の懐の深さを感じざるを得ない。...
View Article石川日出鶴丸著の要点 Ver 1.4
石川日出鶴丸 原著 倉島宗二 校訂 昭和51年5月1日 日本針灸皮電学会刊 1.米占領軍の針灸按等医療類似行為禁止令に抵抗した石川日出鶴丸...
View Article十二正経走行モデル Ver 2.2
筆者は2011.1.11付で「經絡走行モデル」ブログを発表した。その内容は、經絡走行をトポロジー的に捉えたものであったが、分かりにくい点が多々あった。そこで今回は、經絡走行概念図を示しつつ、実際の部位(あるいは経穴名)を付け加えることで、經絡を利用した針灸臨床を考えるための素材を提供することを考え大幅な改良を行い、何回か改良を行った。 1.三陰三陽の表在経絡...
View Article常習性便秘に対する鍼灸治療点の検討
1.下行結腸に対する腰部からの刺針 内臓体壁反射の理論では、大腸は上行結腸~下行結腸までは交感神経が主導権を握り、その反応は背部に現れる。さらに大腸は、上行結腸と下行結腸が後腹膜臓器で、とくに下行結腸を刺激する目的として、左大腸兪・左腰宜(ようぎ=別称、便通穴)などを刺激することが多い。下行結腸は、腰方形筋の深部にあるので直刺で深刺すると命中できる。この部は皮下脂肪や筋...
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