肩中兪刺針の針響 ver.1.2
1.肩中兪刺針は腕神経雄に影響を与える(鈴木由紀子:腕神経叢の圧迫に肩中兪「疾患別百科 頚肩腕痛」、医道の日本社、2001.3.25)取穴:座位。大椎穴(C7T1棘突起間に大椎をとり、その外側2寸。 ※定喘:大椎の外方1㎝、治喘:大椎の直側(外方0.5㎝)...
View Article腕神経叢刺激ポイント
腕神経叢刺激には、側頸部から行う天鼎刺激と上背部から行う肩中兪の2つがある。一見すると天鼎の方が高く、肩中兪は低い位置にあるように考えが地だが、実際にはほぼ同じ高さにでる。 1.肩中兪1)肩中兪深刺の適応 肩中兪(C7棘突起外方2寸)深刺では第1肋間(第1肋骨と第2肋骨間)に刺入できる。この刺針の適応は、頸部交感神経節刺激の他に、腕神経支配領域の症状に対する治療としての使い道がある。...
View Article椅座位で生ずる右大腿後側痛に、大殿筋トリガーポイント刺鍼が有効な例(85歳、女性)Ver.1.2
1.症例(85歳、女性) 主訴:右大腿後側痛 現病歴:当院初診15日ほど前から、思い当たる理由なく、右大腿後側痛が出現した。仰臥位時や立位、歩行時には痛まないが、椅子に座ると痛み出現し、我慢できないという。 理学所見:症状部である大腿後側中央の殷門穴あたりに強い圧痛あり。坐骨神経ブロック点の圧痛なし。下腿から足部にかけての圧痛も目立たなかった。...
View Articleドレス色と静脈色の錯覚 ver,1,1
1.ドレスの色の錯覚 2015年頃、「写真のドレスの色は何色か?」ということで世間を大いに賑わせた。問題となった写真を見ると、私には黄色+白色に見え、それ以外に見えようがなかった。しかし人によっては青色+黒色にも見え、正解のドレスの色も青色+黒色だという。 この謎現象について、非常に理解しやすい絵を発見したので、転載した。...
View Articleへバーデン結節の治療 ver.1.4
1.病態 1)手指のDIP関節にみる変形性関節症。DIP関節基底部背側中央の伸筋腱付着部を挟んで、2つのコブ(結節性隆起)があるように見える。これは関節の炎症により関節包がゆるみ、摩耗した骨が周囲に骨棘を増生させて骨性の膨隆が生じる結果である。屈曲方向に曲がりはじめる。 2)ヘバーデン結節の症状は主に運動時痛だが、初期にはDIP関節が左右対称性に赤く腫脹し、自発痛を伴うことがある。...
View Articleこむら返りの病態生理と対応 ver.1.1
1.こむらがえりとは 「こむら(=腓)返り」とはふくらはぎが、つ(=攣)ること。腓腹筋痙攣 cramp in the calf で、これは有痛性筋痙攣の一種。腓腹筋に起こることが多いが、大腿、前脛骨筋、足指、足裏にも起こる。 2.病態生理 近年の研究では、“こむら返り”は、筋肉そのものではなく筋紡錘や腱紡錘(ゴルジ腱器官)がトラブルを起こした結果、発症するものと考えられるようになった。...
View Article急性足関節捻挫には局所強刺激単刺+テーピング ver 1.6
1.捻挫の概念関節捻挫とは、関節が一瞬ずれ、次の瞬間には元に戻るという状況である。関節が元に戻った後に来院するので、関節包や靱帯など、関節支持組織の損傷ということになる。足関節に好発する。※今回は、急性足関節捻挫を説明し、次回は慢性足関節捻挫をとりあげる。...
View Article鼠径部周囲穴の由来の考察 ver.2.0
1.曲骨(任)、横骨(腎) 「曲骨」(任)は恥骨結合の直上にとる。本穴は恥骨上縁で弯曲した処なので曲骨とした。 横骨は恥骨の意味であるとともに、腎経の穴名でもある。骨度法では、横骨長は骨度法では6.5寸と定められている。横骨とは現代でいう恥骨のことだが、これを恥骨結節両端間の距離とすることは無理があるので、おそらく恥骨上枝の左右外端の間の長さを意味するのだろう。なお横骨長には <...
View Article筋々膜性腰痛の針灸治療(上) 横突棘筋性の腰痛 ver.1.4
1.概念 背腰部の過伸展や捻転→筋々膜のトリガー活性化→脊髄神経後枝が筋膜を貫く部位で刺激されて枝興奮。なお腰背筋の代表といえるのは脊柱起立筋だが、この筋は脊柱を支え、固定するための能が中心で、寝ている時以外は常に緊張状態にあることが知られるようになった。筋筋膜性腰痛の関係は密接でない。...
View Article百会の治効と導出静脈 ver.1.2
百会穴は代表的な経穴の一つで、針灸師の間でもその重要性が指摘されている。ところが重要視すべき根拠は、経絡学説以外には、あまり明確に認識されていないようである。この原稿では、代田文誌先生の考え方を紹介するとともに、その背後にある現代の理論を説明する。...
View Article仙椎一行の圧痛硬結の意味
1.腰殿痛を訴える一部の患者に、触診すると仙椎棘突起傍に圧痛硬結をみることがある。患者の大部分は、自分自身でその反応に気づかない。しかし腰椎や下部胸椎や腰椎の棘突起傍に刺針してもあまり腰殿痛は改善せず、仙椎棘突起傍に刺針して、初めて腰が伸びたり、上体の前方屈曲が可能になる者が結構多く、下部胸椎や腰椎の一行と併せ、仙椎一行(棘突起傍0.3~0.5寸)の圧痛硬結に刺針することは非常に効果がある。...
View Article中髎穴刺針の適応症(北小路博司氏の研究)と追試してみた印象
※令和6年4月11日付けで、カマタ様から当院に11000円のお振込がありました。おそらくCDテキスト代金だと思いますが、カマタ様の住所・電話が分からず、CDをお送りすることができない状況となっています。恐れ入りますが、Eメールにて住所・電話をお知らせください。早急に商品をお送りします。 1.八髎穴の適応...
View Article主要な脈状診の解釈
1.脈状診とは 寸口(橈骨茎状突起の内側の橈骨動脈拍動部。太淵穴)に指頭で圧をかけ、その指の感触から、病因の推測、寒熱の度合い、予後の判定などを診る診察法。 ※平脈:健康人の正常な脈を平脈とよぶ。平脈とは次のような脈をいう。一息(一呼一吸)に 4~5拍動(術者の呼吸で判定)、リズムが一定、太くも細くもない。硬くも柔らかくもない。浮いても沈んでもいない状態。...
View Article犢鼻褌の由来
改訂版の学校協会編「経絡経穴学」では「外膝眼」の位置を「犢鼻」としている。つまり外膝眼と犢鼻は同じ部位となってしまった。日本経穴委員会が制定したのだから、歴史的経緯としてはそうなるのだろうが、既存の鍼灸有資格者の不評をかっている。...
View Article首下がり病の針灸治療検討(89才、女性)ver.3.0
1.本患者のこれまでの経緯4年前(85才頃)ほど前から、急に顔が正面に向けづらくなってきた。右手のしびれと脱力感も出てきたので、整形訪問。手根管症候群と腱鞘炎と診断され、手術をうけた。それにより右手症状は改善したが、顔の上げづらさは不変。顔が下を向いた状態で、正面を見ることが非常に困難。マクラをしないと仰臥位になることはできない。握力は左8㎏、右10㎏。 患者の写真...
View Article奇経八脈の宗穴の意味と身体流注区分の考察 ver.3.0
1.十二正経の概念図 筆者は以前、十二正経走行概念の図を発表した。 http://blog.goo.ne.jp/ango-shinkyu/e/bac628918882edd51472352adefd6924/?img=0084a878810483f1998c462abef9281b...
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