腰背部刺針、四つの狙い処 総集編
背部一行刺針(棘突起肺胞5分)刺針と、棘突起外方1寸刺針、さらに棘突起外方3寸からの刺針の相違について整理した。断片的には、これまでも当ブログ内で部分的に説明したものだが、それぞれの違いについても記してみた。私の私見も多く入っているので、初心者向き内容とはいえないが、本質的な内容を問うものとなっている。 1.固有背筋の種類...
View Article古希祝と第八期針灸奮起の会打ち上げ
令和5年12月10日は第八期奮起の会の最終回「腎泌尿器の針灸治療」を行った。先月私は古希(70才)になったこともあって、奮起の会常連の方を中心に私を含めて十名の方が参加し、盛大にお祝いをしていださった。勉強会終了したのが当日午後8時。午後8時30分頃から国立市のイタリアンに席を用意してくれた。なかなか雰囲気のよいレストランで、和気あいあいで楽しむことができた。...
View Article脱毛症に関する最近の知見と針灸治療 ver.1.1
現代医学の脱毛症に関する研究と治療は、この十数年間に長足の発展をとげた。病理機序がかなり明らかになったということは、馴染みのない医学単語が頻出することでもあり、鍼灸師も改めで勉強し直す必要性を感じる。効果のある新薬が出てきたことは、針灸治療する上での考察のヒントにもなるだろう。脱毛症は、男性型脱毛症(AGA:Androgenetic...
View Article居髎と環跳の位置と臨床運用 ver.1.1
居髎や環跳は、文献により場所が相当違ってくるが、文献的にどちらに正統性があるかを問うよりも、針灸臨床での使い道という観点から整理した方が、実りあるものになるだろう。 1.居髎...
View Articleメイン症候群と上殿皮神経痛の針灸治療の違い
針灸臨床治療で常見疾患の一つにメイン症候群がある。本疾患は上部腰椎~胸腰腰椎移行部~上部腰椎の高さから出る脊髄神経後枝が、外下方に延び、腸骨陵を越えた上殿部に痛みを訴える疾患である。治療は、後枝の出処であるTh12~L2棘突起傍(背部一行)へ深刺することで効果的な針灸治療となる。メイン症候群については、本ブログでもいろいろと報告してきた。...
View Article痛み以外の膝症状への対処 ver.1.1
膝関節痛で最も多い症状は膝痛であるが、膝痛と同時に「膝に水が溜まっている」「膝が腫れるている」といった訴えも少なくない。それらの対処法について整理する。 1.関節の熱感・腫脹 1)病理 関節の軟骨が摩耗し、軟骨の破片が関節液中を浮遊。それが関節滑膜を刺激して関節内に炎症を起こして熱感・腫脹を起こす。この反応で知覚神経を刺激すれば膝関節痛も起こる。 2)針灸の是非と方法...
View Article肩関節の語呂 ver.1.1
先日、奮起の会「肩関節痛」の講習会を実施した。肩関節は他の関節に比べ、動きが複雑なこともあって、記憶すべき内容が多くなる。この対策として医語呂を活用している。 1. 四つの肩種腱板の名前は? 語呂:消極的ケンカ消(小円)極(棘上・棘下)的ケンカ(肩甲下) 2.結髪動作の複合動作と、結帯動作の複合動作 結髪動作:髪(結髪)が、く(屈曲)さくて、かゆい(外転)かゆい(外旋)。...
View Article肩関節の結髪動作制限に対する針灸治療 ver.2.0
結髪制限の針灸については、2021.6.27.ブログに書いたが、内容が古くなったので改めて整理し直すことにした。 1.結髪動作とは髪を後頭で結ぶ動作が十分にできないものを結髪動作制限という。洗濯物を干したり 電車の吊革を持つ時なども結髪動作に含める。結髪動作は、肩関節の屈曲(前方挙上)+外転+外旋の複合動作になる。肩関節の内旋・外旋は、上腕骨頭軸の回転のことで、...
View Article肩関節の結帯動作制限に対する針灸治療 ver.2.0
肩関節の結帯動作制限に対する針灸治療のブログは、2021.6.15に発表済だが、内容が古くなったので書き改めることにした。 1.結帯動作制限と障害筋 エプロンやブラジャーをする動作または排便後にお尻を拭くという動作を結帯動作という。これは上腕骨の伸展+内旋+外転の複合動作で、これに肩甲骨の下方回旋を伴う。 結帯動作の語呂:帯(結帯)が伸(伸展)びて、不甲斐(外転)ない(内旋)...
View Article凍結肩の運動療法の整理および外科手術の適応
拘縮期の五十肩に対しては、鍼灸治療であっても、あまり効果的な方法がない。肩関節癒着には無効なのであって、治療の中心は運動療法主体になる。なお運動療法に温熱療法を併用することの効果は広く認められているが、電気をかけたり磁石を貼ったりするのはエビデンスに乏しい。 1.古典的な運動療法 2.関節モビリゼーション...
View Article肩関節痛に対する「条口から承山への透刺」の適応 Ver.1.3
1.五十肩に対する条口から承山への透刺の方法 この刺針法は中国の清代以降に発見されたらしいが、わが国では1970年以降に、中国からの情報として知られるようになった。五十肩に対して健側の条口から承山に透刺(2穴を貫く)する方法で、条山穴と略称される。実際に2穴を貫くには5~6寸もの長針が必要である。...
View Article後頸痛に対する針灸治療の総括 ver.1.1
シンプルに私の行っている後頸痛の針灸治療を整理してみた。 1.胸椎・腰椎部筋の構造と針灸治療方法のおさらい まずは背腰部固有背筋を整理し、頸部の固有背筋と比較する。...
View Article「現代針灸臨床論」テキストCDの販売内容
1.現行の現代針灸臨床論CD内容 「あんご針灸院ホームページ」にて紹介している「現代針灸臨床論2023版」CDを発売して十年以上(テキスト作成開始から三十年)が経過している。内容は時々修正されるが、最新版は次のようになっている。 1)「現代針灸臨床論Ⅰ」 整形・ペインクリニック (315ページ)第1章 頭痛第2章 頸腕痛第3章 肩関節痛第4章 背腰痛第5章 腰下肢痛第6章 膝関節痛第7章...
View Article焦氏頭針法と朱氏頭皮針法 ver.1.1
私の手元には、焦氏頭鍼法、朱氏頭皮針法、山元式新頭針法といった3種の参考文献がある。歴史的には、焦氏頭鍼法は焦順発医師が1960年代に、朱氏頭皮針法は朱明清医師らにより1980年代に、ともに中国で開発された。山元式新頭針は、YNSA(Yamamoto New...
View Articleメイン症候群と上殿皮神経痛の針灸治療の違い
針灸臨床治療で常見疾患の一つにメイン症候群がある。本疾患は上部腰椎~胸腰腰椎移行部~上部腰椎の高さから出る脊髄神経後枝が、外下方に延び、腸骨陵を越えた上殿部に痛みを訴える疾患である。治療は、後枝の出処であるTh12~L2棘突起傍(背部一行)へ深刺することで効果的な針灸治療となる。メイン症候群については、本ブログでもいろいろと報告してきた。...
View Article痛み以外の膝症状への対処 ver.1.1
膝関節痛で最も多い症状は膝痛であるが、膝痛と同時に「膝に水が溜まっている」「膝が腫れるている」といった訴えも少なくない。それらの対処法について整理する。 1.関節の熱感・腫脹 1)病理 関節の軟骨が摩耗し、軟骨の破片が関節液中を浮遊。それが関節滑膜を刺激して関節内に炎症を起こして熱感・腫脹を起こす。この反応で知覚神経を刺激すれば膝関節痛も起こる。 2)針灸の是非と方法...
View Article肩関節の結髪動作制限に対する針灸治療 ver.2.2
結髪制限の針灸については、2021.6.27.ブログに書いたが、内容が古くなったので改めて整理し直すことにした。 1.結髪動作とは髪を後頭で結ぶ動作が十分にできないものを結髪動作制限という。洗濯物を干したり 電車の吊革を持つ時なども結髪動作に含める。結髪動作は、肩関節の屈曲(前方挙上)+外転+外旋の複合動作になる。肩関節の内旋・外旋は、上腕骨頭軸の回転のことで、肩関節腱板の筋運動による運動である。...
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