バックハンドテニス肘の針灸治療(改訂版)
1.バックハンドテニス肘の概要1)症状:テニスでバックハンドで球を打つたびに痛みが出る。雑巾絞り動作(前腕回外筋負荷)でも起こりやすい。 2)所見外側上顆の腱起始部圧痛(++)、伸筋々腹(おもに短橈側手根伸筋)の圧痛中指伸展テスト(+):手掌を下にして前腕をベッド面につける。検者は被験者の中指を軽く押圧しつつ患者に中指を反らすよう指示。手三里付近の痛みが出れば陽性。 3)病態...
View Articleゴルフ肘の針灸治療(改訂版)
1.症状 ゴルフ肘ゴルフクラブのインパクト時、効き手の肘内側が痛む。 上腕骨内側上顆部の運動時痛2.病態 1)ゴルフのスイングは、まず前腕を回外してクラブを持ち上げる。次にクラブを振り下ろすが、その際に利き腕(多くは右)の前腕は回内傾向になる。これは円回内筋が収縮し、その起始である上腕骨内側上顆に牽引ストレスが働くことになる。 ※長掌筋の機能 手根部を曲げ,同時に手掌の腱膜を引く働き...
View Articleバネ指の針灸治療 ver.3.2
本原稿は約3年前に発表した「バネ指の針灸治療」を全面的に改定したものである。 1.手の指の腱・腱鞘・靭帯の構造 指に向かう深指屈筋腱と浅指屈筋腱は、運動量が大きく力も強大なので、他の組織との摩擦を 防ぎ、滑りをよくするため、遠位中手骨から指先までを腱鞘で覆われている。 さらに指の掌側には、腱の浮き上がり防止のため、滑車装置である輪状靱帯(靱帯性腱鞘)が...
View Article古代九鍼の知識 ver.1.4
これまで古代九鍼についてはあまり関心がなかったが、勉強し直してみると結構興味深いものがあった。古代九鍼のうち刀をもつタイプは、西洋医学のメスなどに改良進化したが、切ることは医行為とされているので、今日の鍼灸師は毫鍼以外は使う機会がなくなった。擦ったり押圧したりするタイプ(鑱鍼・圓鍼・鍉針)は、現代医学では興味対象外らしいが、針灸師の創意工夫により、今日には小児鍼として使われるに至った。...
View Article針灸院における外反母趾の診療 ver. 3.1
外反母指の針灸に関しては、「外反母趾のテーピングと針灸治療」(2006.7.9)で発表。その後三度全面改訂し2019.6.19がver.3.0となった。さらに2022年5月14日ver3.1として部分改訂した。 1.外反母趾の定義...
View Article肋間神経痛の針灸治療 ver.2.3
1.胸痛を起こす原因 冠状動脈の虚血と、肋間神経の興奮が胸痛の2大原因である。肋間神経からは胸膜枝が分岐しており、胸膜炎や肺癌が胸膜まで拡大進行して胸膜が刺激をうけても肋間神経痛を起こす。 1)冠状動脈の虚血...
View Article片頭痛に対する知見と鍼灸治療の考察 ver.1.1
1.三叉神経血管説の概略何らかの原因で、視床下部のセロトニン分泌量が減少すると、三叉神経末端からCGRP(血管拡張物質)を放出され、血管拡張により炎症が拡大。セロトニン減少の原因させる原因は不明だが、遺伝性体質の他に、ストレスや疲労、月経周期、天候などの影響がある。...
View Article石川日出鶴丸著の要点 ver.1.7
本書は石川日出鶴丸が、針灸を専門とする医学者でない、わが国の一般の医学者に対して、針灸医学の大要を説明するためにまとめられた。本著作は、日本皮電学会発行ということで現在絶版であり、またカタカナ表記であることもあって、読んだことのある者は少ないと思われる。内容は基本的であるが、そうだったのかと感心させられる内容が所々に見受けられた。本稿ではそうした内容を紹介する。 石川日出鶴丸 原著 倉島宗二...
View Articleドレス色と静脈色の錯覚
1.ドレスの色の錯覚 2015年頃、「写真のドレスの色は何色か?」ということで世間を大いに賑わせた。問題となった写真を見ると、私には黄色+白色に見え、それ以外に見えようがなかった。しかし人によっては青色+黒色にも見え、正解のドレスの色も青色+黒色だという。 この謎現象について、非常に理解しやすい絵を発見したので、転載した。...
View Articleバネ指の針灸治療 ver.3.3
本原稿は約3年前に発表した「バネ指の針灸治療」を全面的に改定したものである。 1.手の指の腱・腱鞘・靭帯の構造 指に向かう深指屈筋腱と浅指屈筋腱は、運動量が大きく力も強大なので、他の組織との摩擦を 防ぎ、滑りをよくするため、遠位中手骨から指先までを腱鞘で覆われている。 さらに指の掌側には、腱の浮き上がり防止のため、滑車装置である輪状靱帯(靱帯性腱鞘)が...
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