ドライアイの原因と眼の温熱治療
1.ドライアイの原因 涙は涙腺でつくられ、排泄溝を通って眼球表面に流出する。眼精疲労を訴える者の6割はドライアイ状態とされる。この原因は、涙液減少型はマレ(代表疾患はシェーングレン症候群)で、大部分は、涙が蒸発しやすい涙液蒸散型だとされる。 ※目がショボショボするとは?「目が乾きやすい」という乾燥感が主症状で、これに異物感、目の痛み、まぶしさ、目の疲れなど様々な症状が合わさったもの。...
View Articleクルミ灸のための加工と試行錯誤 ver.1.2
眼を患っている患者が来院した。眼ということで鬼クルミを使ったクルミ灸についての話をした。すると次週、鬼クルミを1袋(50個くらい)持ってきて、私に分けていただけるとのことだった。 1.クルミの殻を割る...
View Article令和5年 新年会のお知らせ
これまで大勢の先生にご参加いただきました奮起の会も第6回も無事終了できました。つきましては以下の要領で< 令和5年新年会>を行います。これまでの奮起のに参加いただいた先生は勿論、どなたでもご参加ください。新年の抱負など、未来志向で語りましょう。 宜しければ、皆様お誘い合わせの上ご参加ください。 1.月日 令和5年1月22日(日曜)2.時間 午後6時~3.場所 居酒屋「庄や」国立駅南口徒歩3分...
View Article頭痛・眼精疲労時の太陽穴反応と刺針手技 ver,1.1
1.太陽穴の名称 中国語でコメカミのことを太陽という。太陽穴との名称理由は不明だが、屋外で最も太陽に照らされる部位と考えたのではなだろうか(頭部は頭髪があるから陽は直接は当たらない)。ちなみにコメカミのことを英語ではテンプル temple という。これはお寺の temple とスペルも同じなのだが、外来語を英訳する際にたまたま同じ綴りになってしまった訳で両者間に関係はない。...
View Article私の行っている眼窩内刺針の方法 ver.1.4
1.はじめに以前私は、「 眼窩内刺針が刺激対象とするもの Ver.2.12015-08-19 」と題したブログを発表した。 https://blog.goo.ne.jp/ango-shinkyu/e/e15b8546ecd13a7f5c065a1709f3472c...
View Article顎関節症の針灸治療 改訂2版
1.顎関節症の概念 咀嚼や開口時の顎関節とその周囲の疼痛、開口障害と開口時雑音などを主体とする。3大症は、①顎関節痛(開口時、ものを咬む時)、②開口不全(開口しづらい。3横指以下)、③関節雑音(顎の関節がカクカク、ジャリジャリと音がする)。...
View Article令和5年新年会のご報告と本年上半期の講習会計画
去る令和5円1月22日(日曜)、地元の居酒屋にて新年会を行った。参加したのは私をを含めて10名。「鍼灸奮起の会」後の懇親会に毎回参加する常連の方々はもちろん、珍客も参加(徳島県からも参加)し、賑やかなひとときを過ごすことができた。...
View Articleカッサの意義
カッサは次の2つの統合刺激である。すなわち「皮膚をこする」こと、次に「皮下出血させる」ことである。個別に検討をしていく。 1.皮膚をこすること 1)結合識マッサージから皮下筋膜刺激へ 皮膚や皮下組織に機械的刺激を与える治療として、我が国では按摩・指圧が、中国で...
View Article麦粒腫への二間の灸と面疔への合谷多壮灸
鍼灸師の間では、麦粒腫に対して患側(健側でもよい)の二間穴に灸をすると、腫脹吸収あるいは排膿促進につながるというのが常識である。しかしながら患者も鍼灸治療で麦粒腫を治す目的は来院せず、麦粒腫瘍そのものも自然治癒しやすいので、鍼灸院でも患者に治療する機会は多くない。自分自身や自分の身内に試みるくらいなので、症例集積まで至らないのである。わかっていることは以下のごとくであろう。...
View Article難聴・耳鳴に対する側頸部治療穴の理解 ver,1.1
下図は、佐々木和郎氏が報告した耳鳴りで多用する局所治療穴である。これらが示すツボは、ほぼ予想はつくので、筆者の見解を示した。さらにこれらのエリア内にあるツボの位置を図示してみた。耳鳴りの針灸治療で、とくに多用する穴を赤丸で区別した。各穴について説明する。...
View Article<JSカッサ治療入門セミナー>のお誘い
カッサって何? 何に効くの? <JSカッサ治療入門セミナー>のお誘い現代針灸 似田 敦 協賛講師:徐 園子(じょう そのこ) 日本かっさ治療学会、大和鍼灸かっさ治療院 1.セミナー受講のお勧め...
View Articleお灸のトリビア ver.1,1
1.灸治療が庶民に広まったのが江戸時代 もぐさは西暦500年頃、朝鮮を経由して仏教とともに日本へ伝わってきた。中国にある棒灸は、日本のお灸の原型と考えられるが、お灸は日本独自に進化した伝統的な治療法。西暦700年頃僧侶が行う治療として隆盛を極め、江戸時代には庶民にも広まった。江戸時代には、「弘法大師が中国から持ち帰った灸法」というふれこみで打膿灸も普及した。 2.いくさにおけるモグサの利用法...
View Article首下がり病に上部胸椎一行の刺針が有効な例(89才、女性)
本患者のこれまでの経緯4年前(85才頃)ほど前から、急に顔が正面に向けづらくなってきた。右手のしびれと脱力感も出てきたので、整形訪問。手根管症候群と腱鞘炎と診断され、手術をうけた。それにより右手症状は改善したが、顔の上げづらさは不変。顔が下を向いた状態で、正面を見ることが非常に困難。マクラをしないと仰臥位になることはできない。握力は左8㎏、右10㎏。...
View Articleこむら返りの病態生理と対応
1.こむらがえりとは 「こむら(=腓)返り」とはふくらはぎが、つ(=攣)ること。腓腹筋痙攣 cramp in the calf で、これは有痛性筋痙攣の一種。腓腹筋に起こることが多いが、大腿、前脛骨筋、足指、足裏にも起こる。 2.病態生理 近年の研究では、“こむら返り”は、筋肉そのものではなく筋紡錘や腱紡錘(ゴルジ腱器官)がトラブルを起こした結果、発症するものと考えられるようになった。...
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