ベル麻痺の予後推定と針灸治療
1.ベル麻痺の病態生理 ①幼少の頃の単純ヘルペス感染の既往 ↓ ②成人になり免疫力低下時、膝神経節内で単純ヘルペスウイルスの再活性化。顔面神経の炎症。 (膝神経節内での帯状疱疹ヘルペスウィルス感染は、ハント症候群になる) ↓ ③顔面神経浮腫とくに顔面神経管の骨トンネルによる絞扼。神経内毛細血管の虚血。 ↓ ④麻痺発症...
View Article新・耳鳴の針灸治療 鼓室神経刺激と顔面神経下顎縁枝刺激 Ver.1.1
1.耳鳴に対する鼓室神経刺針と治効機序 1)耳鳴に対する鼓室神経刺激とは筆者はこれまで、体性耳鳴に対して針灸治療が効果的であることを説明してきた。ムチウチ後遺症や顎関節症に付随した耳鳴は、顎関節関連筋や胸鎖乳突筋の緊張を緩めることが耳鳴の治療につながるということである。...
View Article代田文彦先生13回忌法要の集い
以下は、月刊誌「医道の日本」のニュースとして、筆者が平成27年4月中旬に投稿したもので、同年5月号に記事として誌面を飾ったものである。集合写真は小さなさなモノクロにすぎない。本稿ではカラー大判で紹介する。...
View Article急性足関節捻挫には局所強刺激単刺+テーピング Ver 1.4
1.捻挫の概念関節捻挫とは、関節が一瞬ずれ、次の瞬間には元に戻るという状況である。関節が元に戻った後に来院するので、関節包や靱帯など、関節支持組織の損傷ということになる。足関節に好発する。※今回は、急性足関節捻挫を説明し、次回は慢性足関節捻挫をとりあげる。...
View Article慢性足関節捻挫に足根洞(=丘墟)刺+腓骨筋群刺 Ver.2.0
2012年6月12日に「慢性足関節捻挫に足根洞(=丘墟)刺針」と題したブログを発表したが、一部に誤りがあり、その後の知見も増えたので、上記タイトルとして書き改める。...
View Article筋々膜性腰痛の針灸治療(上) 短背筋群性の腰痛
1.概念 背腰部の過伸展や捻転→筋々膜のトリガー活性化→脊髄神経後枝が筋膜を貫く部位で刺激されて枝興奮。なお腰背筋の代表といえるのは脊柱起立筋だが、この筋は脊柱を支え、固定するための能が中心で、寝ている時以外は常に緊張状態にあることが知られるようになった。筋筋膜性腰痛の関係は密接でない。...
View Article筋々膜性腰痛の針灸治療(下) 腰方形筋性腰痛と大腰筋性腰痛
1.腰方形筋性腰痛1)腰方形筋の構造起立筋は仙骨に向けて幅が狭くなっている関係で、腸骨稜上縁にあるのは起立筋ではなく、腰方筋になる。第12肋骨から骨盤の間に走る筋。腰神経叢支配。本筋は腰背筋ではなく、腹筋に分類される。 腹筋前腹筋:腹直筋 側腹筋:外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋...
View Article慢性メニエール病に対する針灸治療
1.急性メニエール病の症状の機序 内耳で平衡感覚をつかさどるのは三半規管と耳石器で、身体の動きや位置に伴う管内部にある内リンパ液の動きを、有毛細胞が捉えることで空間における自己の位置や動きを把握している。...
View Article肩関節の結帯動作制限に対する針灸治療
H27.1.25.上記タイトルのブログを書いたが、パソコン操作ミスで消えてしまったので、再度書き直すことにした。 1.結帯動作制限に関係する筋 五十肩では外転時痛とともに結帯動作時痛が生じやすい。結帯動作は、肩の伸展+内転+...
View Article肩関節の結髪動作制限に対する針灸治療 Ver.1.1
2015年1月15日付けで、私は「肩関節の結帯動作制限に対する針灸治療」というブログを発表した。その姉妹編ということで、今回は上記タイトルについて見解を記す。...
View Article経絡走行モデル Ver 2.0
筆者は2011.1.11付で「經絡走行モデル」ブログを発表した。その内容は、經絡走行をトポロジー的に捉えたものであったが、分かりにくい点が多々あった。そこで今回は、經絡走行概念図を示しつつ、実際の部位(あるいは経穴名)を付け加えることで、經絡を利用した針灸臨床を考えるための素材を提供することを考え大幅な改良を行い、「經絡走行モデル Ver.2.0」として発表する。 1.三陰三陽の表在経絡...
View Article医家のための低炭水化物ダイエット入門
1.序 一昔前単純性肥満は、摂取カロリー>消費カロリー状態なので、食事量を減らし身体運動量を増やせばよい、と単純に考えられていた。それができないというのは、本人の意志の弱さが原因だとした。1990年代になって肥満と食欲の関係について、大きな進展があった。以下、自分自身の勉強がてら、インターネットに散在している文章を、カット&ペーストの要領でまとめた。...
View Article耳閉感に対する下風池刺針の作用
序かなり以前に針灸学生用の実技テキストをつくる目的で、文献を集めたことがあった。その中で、芹沢勝助先生の書いた記事を発見し、今日まで気になっていたことがあった。 1.耳鳴に下風池の押圧(芹沢勝助:圧痛点の意義とその臨床、医道の日本、昭和61年4月号)...
View Article白内障の鍼灸治療論理
一般的に白内障は針灸の不適応症であるとされている。代田文彦先生もそう考えていたし、私もそう思ている。しかし針灸の先生の中には「科学的な裏づけこそ少ないものの、豊富な臨床実績からもその有用性は明らか」といった、こちらが赤面するような発言が飛び出したりする。これはいったいどうした訳だろうか。常々感じていることを記してみたい。...
View Article眼窩内刺針が刺激対象とするもの Ver.2.1
筆者は加藤雅和先生(米沢市で鍼灸院開業)に誘われ、最近、MPS(Myofascial Pain Syndrome 筋膜性疼痛症候群)研究会に入会した。そこで小山曲泉の掃骨針法の存在を知った。小山曲泉の眼窩内刺針を追試してみると具合が良いようなので、第2版としてこの内容を付け加えた。...
View Article変形性股関節症の針灸臨床 ver 1.4
これまでも何回か変形性股関節症の針灸について報告してきたが、その時々に興味をひく内容を書いたので、内容は断片的だった。今回は、とくに初学者を意識し、変股症の針灸治療というテーマで総括的に記すことにした。内容的には過去に報告したものと重複しているがご容赦願いたい。 1.変股症の症状...
View Article乗物酔いの応急処置
1.内関刺激乗物酔いの悪心嘔吐に、内関に置針または皮内針をすると、悪心嘔吐は鎮静化され、つわりによる悪心嘔吐にも内関刺激は効果あることが知られる。このことから、内関刺激は、嘔吐に求心性機序ではなく、延髄嘔吐中枢→迷走神経→効果器(胃)という遠心性機序に対する抑制が想定されている。下は、欧米で市販されている酔い止め用リストバンド。...
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